なんてことない日記 脳みそが火傷
きのう、ダンスを習っていたときの友人のJちゃんと夫のRに会いに行った。
Jちゃんは、両親の介護をし、精神科の病院で亡くなった妹の娘を育て、
それ以外にもたくさんのことを背負ってきた人。
Rはイラン人。
ダンス時代、私がまったく踊りたくなくてイスに座っていると、「踊ろう」と誘ってくれた優しい人。
Rは日本にやって来て、不法労働者として解体現場で働いていてダンスを通じてJちゃんと出会った。
不法労働をしていたとき日本人の倍働くのにお給料は法外に少なく、
人の下で働きたくない、とリサイクル業を起こした。
昼は雇われ、夜は自分の仕事、お兄さんの大学の学費を作って、イランにビルを建ててその収入で家族は暮らしたそう。
いまも休みなしに働いている。顔も両腕も日焼けしていて両手の爪は真っ黒だった。
いま書いているシリーズの1本目は無事に通った。
「力作ですね」と言われた。
1本目から3本目までの3人の方の取材は終えていて、
JちゃんとRには4本目に登場していただく。
Rにはイスラム教の話を聞いた。
彼にとっての神様の存在。鏡のように次の生まれ変わり後の人生がいつもあること。
そばに貧しい人がいれば助けるのは当たり前のことであること。
私はライターであることをすっかり忘れ、鈍く頷くだけだった。
帰り道、「mちゃんはふわふわしててどこに行っちゃうか心配だ」と改札まで二人が送ってくれる。振り返って手を振る。
JちゃんもRも、眼差しが似ているなと思った。ふとした瞬間、厳しい眼差しをする。神様と交信するように。当たり前のように弱った人を助ける。欠けてるピースを持っている人を見分けてぴたっと添うように。
力作だと編集者にいわれた原稿が、つるんつるんのものだったように思えて、今朝PC画面に出しても、向き合えない。脳が火傷したみたいでぼーっとしている。
これから3日間で仕上げる。ここからは、根っこだらけの山道を、繰り返し左右の脚を動かすようにいくだけ。がんばろう。
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