体に入ってくる「ショウコの微笑」チェ・ウニョン 

ショウコとソユ、祖父の物語。
2023.09.01
読者限定

この本は7つの物語から成る。まだ表題の「ショウコの微笑」しか読んでいないけれど、この物語について書いておきたいと思った。

「意味」のある夢を追いその夢に食い潰される焦燥。人と関わるときの違和感、困惑。発している言葉はあれども相手の気持ち、さらには自分の気持ちすら分かっていないということ。頭が疲れてくると本は読めなくなるのに、なんだろう、この作家の文章は体に入ってくる。血になって流れている。読んでいることを忘れる。

表向きにどんな顔をしていようと、身内にとる遠慮の無い態度。その態度や言葉は普段の反作用のようにあけすけになる。なんか笑える。わかり合えないことって案外、面白いだけのことかもとも思う。

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